友達の家

休暇を使って旅行をしてきました。

帰りが遅かったので、友達のご実家に泊めてもらいました。

 

21時過ぎに最寄駅に着いた私たちを車で迎えてくれたのは、気さくなお父さん。

続いて手作りのハンバーグとオニオンスープを出してくれたのは、ちょっとシャイな妹さん。

出勤前に早起きをしてサンドイッチを作ってくれたのは、笑い皺がすてきなお母さん。

家族みんなが温かく接してくれました。

そしてそのご家族の裏に浮かんだのは、「すみれが家に来るよ」と、ご家族にたくさん伝えたであろう、旅行前の友達の姿でした。

その友達の気持ちと、ご家族の気持ちと。とってもほっこりして、うれしくなって、その日はぐっすりと眠れたのでした。

 

朝、一緒に出勤したお父さんは「子どもたちがいなかったら仕事辞めてた」と言っていました。

その一言に子どもを持ったあとの二十数年の責任と愛情がたっぷりと詰まっていて。働き始めてから半年の私は、ただただ感心してしまうのでした。

 

仕事をしているから偉いのではなく。

家庭があるから凄いのではなく。

子どもを育て上げたから立派なのではなく。

 

自分にとっての幸せは何か、

自分が大切にしたいものは何か、

それがわかっているお父さんの眼差しは

最高にかっこよかったのです。

 

ただただ平和に流れていく日常ほど

見えない努力を要するものは無いでしょう。

ありふれているようでなかなか触れられない、

何か大切なものに心をくすぐられた秋の朝でした。