離れていく

先日、映画『stand by me』を見ました。

小学6年生くらいの男の子4人が、

車もお金もない中で、

彼らにとってはとてもダイナミックな旅をするのです。

といっても、たったの一泊二日、線路を歩いていくだけなんだけど。

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この物語は、大人になった主人公が、その頃を回想するシーンから始まります。

そして映画の最後にも、少年たちのその後に少し触れています。

「彼らのうち1人は少し長く付き合いが続いたが、

他の2人は、大きくなるにつれ、自然とあまり話さなくなった。」

結末は、それだけ。

 

それだけなんだけど、すごく腑に落ちる終わり方だなと思ったのです。

 

小学生の頃、休み時間に一緒に絵を描いていた友達、

中学生の頃、毎日一緒に帰っていた友達、

高校生の頃、いつも一緒にお昼ご飯を食べていた友達、

大学で、授業の合間にお喋りしていた友達。

 

思い返せばそれぞれに、すごく仲良くしていた友達がいて、当時の私にとって、その友達との時間は欠かすことのできないものでした。

それなのに今、当時と同じように毎日一緒に話している友達って、1人もいません。

 

友達だけでなく、趣味もご飯も服も音楽も。

いつしか無くした習慣が、とてもたくさんあるのです。

環境が新しくなると、自ずと日常は変わるし、

何か新しいものに出くわすと、どちらからともなく離れていくものがあります。

嫌いになったわけでも、飽きたわけでもないのに。

 

それってすごく人間的で、美しいなと思います。

疎遠になった人たち、疎遠になったモノたち。

「疎遠」というと寂しい感じがするけれど、傍にあるわけじゃないからこそ、今、懐かしさを感じられます。

遠いようでいて、意外と近くにあるのかもしれません。

もうずーっと話してない友達は、元気にしてるのかなぁ。