クリスマス

毎年ケーキはブッシュドノエル。

我が家ではいつもそう、決まっています。

 

いつしか、クリスマスの朝に目が覚めると枕元にプレゼントが置かれている、なんてことはなくなり、

小さなクリスマスツリーもわざわざ飾られなくなりました。

今年は、手作りのパエリアとチキン。スパークリングワインとブッシュドノエル。

もう子供じゃないけれど、

なぜか、いつになく手が込んでいて、豪華でした。

手作りの心温まるおいしさ。

 

なぜそんなに豪華だったのでしょう。

実は、母の頭の中には、「子どもと過ごすクリスマスは今年が最後かもしれない」という思いが

どうやらあったようなのです。

 

三年前、姉が家を出て、

去年、妹が家を出て。

今年は、両親と私と、3人だけのクリスマス。

そして私も、明日、家を出ます。

 

私は引越し準備に追われててんやわんやだったけれど

一人、また一人と子どもたちが巣立っていく我が家では

父も母も、寂しいような嬉しいような、いろんな気持ちを味わいながらそれを見守っているのでしょう。

毎年のように食べてきたブッシュドノエルも、

来年は小さなケーキ2つになってしまうのでしょうか。

ずっと変わらないようでいて

今年と同じクリスマスは二度とありません。

 

サンタさんのためにベッドの横にアイスティーを用意した年、

もらったプレゼントを小学校の同級生に自慢した年、

初めてクリスマスカードが英語で届いた年、

私がクリスマス料理を担当した年、

留学でクリスマスを家でお祝いできなかった年。

どの年も、確かに違ったクリスマス。

でもどの年も、変わらない両親の深い愛情がありました。

 

いつか親孝行ができるように。

両親とは別の場所で暮らすようになっても、

私らしい暮らしを、毎日淡々と積み重ねていきたいなと思います。

Merry Christmas 🎄