GIFT

5年付き合って、お別れをしました。

では何か変わるか、というと、強い喪失感に苛まれるわけでもないし、「新しい出会いを」と焦るわけでもない。

 

付き合うとか別れるとか、そういうものってとても形式的だな、と実感する。

5年も付き合っていると、もらったモノがたくさんある。

湯沸かし器、お弁当箱、名刺入れ、ネックレス、マフラー、クッキー型、化粧ポーチ、万年筆ケース、などなど。

それらを見ても、懐かしくはなるけれど、切なくはならない。特に捨てる気にもならない。

劣化して使えなくなるまでは、使い続けるつもり。

 

そして一番もらっていたものは、物質的なモノというよりは、時間や言葉だと思う。

デートに使ってくれた時間、それに伴う移動時間、買い物に付き合ってくれていた時間、手紙を書いてくれた時間、待ち合わせで待たせてしまった時間、LINEや電話に付き合ってくれた時間、セックスの時間、などなど。

もらったモノ以上に、5年間費やしてくれた時間というのは、凄まじいものだと思う。

この時間の蓄積も、別れたからといって、なくなるわけではない。

愛情表現の言葉や、人柄や能力を評価してくれる言葉、応援の言葉も。そういった言葉の数々も、消えることはない。

 

恋人からもらってきたたくさんのものたちは、彼以外の人からのもらいものたちと混ざって、今の私を作っている。

別れって、本当に表面的で、大したことないな、と正直思う。

 

今後は増えることはないもらいものたちへの愛情をもって、今日も明日も良い1日にしようと思う。