終わりと始まりと

お付き合いの終わりは大したことはなく、

お付き合いの始まりも、きっと大したことはない。

 

この前のお別れのきっかけは、ある男性に気持ちを打ち明けられたことでした。

私は片想いの経験があまりありません。

誰かに「好き」と発信することはとても素敵なことだし、そうやって人を好きになれることはとても美しいこと。

ちょっと羨ましいなぁとも思います。

 

でも、その彼の「好き」の一言がパートナーとの別れのきっかけだったからと言って、

恋愛的に惹かれていたわけではありません。

別れた人について既に知っていたことと、

告白してきてくれた人について知っていることと、

その差があまりにありすぎました。

 

今は、告白してくれた人と向き合う時期。

会う約束の日には、私はカバンの中に、

彼への質問をたくさん書いたノートを持っていきます。

どんな食べ物が好きで、

どんな家族がいて、

どんな休暇の過ごし方をして、

どんな恋愛をしてきたのか、

ちょっとしつこいくらいに、いろんなことを聞きます。

それと同時に、

どんな言葉遣いで、

どんな仕草で、

どんな時に笑うのか、彼を見て少し知ります。

 

気心知れた仲だと何でも知っていて嬉しいけれども、

二人ではあまり話したことのない相手を少しずつ知っていくのも、とても楽しいです。

そして意外と、他人同士を比較することもなく、一人の人として知っていけるものだなとも思います。

 

私が恋愛的に好きになるにはきっと、もう少し時間がかかります。

好きになれないかもしれません。

そんな私ですが相手も、今のところはのんびりと構えてくれている感じです。

 

もし新しく恋愛を始めるのだとしたら、

それはきっとこの前のお別れの時みたいに、

大したことなく緩やかに始まっていくのでしょう。

 

自分に好意を寄せてくれている人に、ちゃんと向き合えているかな。

別れる前と、今と、考えていることはあんまり変わりません。

愛情と感謝の気持ちをもって、毎日丁寧に過ごすのみです。