貴女へ

実家に里帰りしてから1週間が経ちました。

この1週間は両親や祖父母の近くで過ごし、

お腹を触ってもらったり、楽しみだねと言われたり。

貴女の存在が、私の周りの人たちにとって、ますます大きなものになってきています。

 

私のお腹に手を当て、胎動を感じて嬉しそうな顔をするおじいちゃん、

私の母が赤ちゃんだった頃のアルバムを引っ張り出してくるおばあちゃん、

来年の春は春生まれがもう一人増えてるねと何度も言うパパ(私も母も4月生まれ)、

もう赤ちゃんが産まれた後の、お七夜やお宮参りについて話す気が早いママ。

これまで、みんなにとって私が一番小さな子どもでしたが、

あと少しすると、祖父母にはひ孫が、両親には孫ができます。

これから産まれる貴女についての会話は毎日尽きることなく、みんなが楽しみにしてくれています。

 

一方の貴女はというと、子宮の中でせっせと育ってくれている最中です。

子宮の中は暗くてそろそろ窮屈に感じている頃でしょうか。

 

産まれる当日、きっと貴女は、

子宮の中よりずっと窮屈な産道で、とても苦しい思いをするのでしょう。

その後少しして、産声をあげた時、この世界がとても広く、光に溢れ、いろんな音がすることに驚くのでしょう。

 

まだお腹の中にいるだけの、顔も知らない貴女に会えるという、ただそれだけのことを

生き甲斐にし、楽しみにしてくれている人が貴女の周りに居たということ、

そしてその人たちが、産まれる前から既に自分を愛してくれていたということ、

それに貴女が気がつくのは、きっと、ずっとずっと先のこと。

でも、それでいいのです。

それが、いいのだと思います。

 

貴女の両親となる2人は、

億万長者でも物識りでも権威者でもなく、未熟なところがたくさんあります。

きっと20年後もそれは変わらず、両親は未熟なまま、

貴女だけが凄まじいスピードで立派に育ち、

巣立っていくことと思います。

 

巣立っていく時、どうしようもなく寂しくなるだろうと知りながら

両親揃って貴女をたくさん愛してしまうのだと思います。

でも、私たち両親も、それでいいのだと思います。

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予定日まであと29日。

明日から臨月となります。

 

もう少しだねと言われる傍ら

出産という大仕事が待っている私にとっては

母子共に健康に出産を終えられるか、ドキドキしています。

毎日、昼でも夜でもお腹の中で元気に動いてくれている貴女と、無事に対面できますように。

外の世界はいろんな色のお花が咲いて、とっても綺麗な季節だよ。

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