好きだった人の話

クリスマス、大晦日、新年。

寒空の下でイベントごとが迫っては駆けていくこの時期は、幼い頃から思い出がたくさんあります。

サンタさんがきてくれて嬉しかったこと、

お正月のすっきりとした青空、

少し大きくなって、おせちが作れてホッとしたこと。

 

でも高校を卒業したぐらいからは、私にとって恋人との思い出も多くあります。

夫の前に付き合っていた人と、付き合い始めた時期でもあり、お別れした時期でもあり、

夫と、デートするようになった時期でもあり、入籍した時期でもあり。

前にお付き合いしていた人と、付き合い始めた年からはもう9年(!?)

お別れした年からはもう4年経ちます。

それでも、この季節になると、その彼とのお付き合いや別れのことを毎年思い出します。

 

5年間付き合っていたその人とは、

もうすぐパートナーとして過ごして4年経つ夫より

期間としては長く一緒にいたことになります。

 

付き合った年は、思わず心がくすぐったくなるような初々しさがあり、

それ以降の年は、「記念日」をまた一緒に過ごせた歓びがあり、

後半になると、異国の地で遠距離をしていて、会いに行ったり電話したりした思い出があり、

最後の年は、「素敵な記念日」にならなくてたくさん泣いて怒って、彼を応援できない自分が大嫌いになり。

 

当然、今、未練は全く無いのですが、

現在28歳の私にとって、彼と付き合っていた5年間は短くはなくて

いろんな年のこの時期を思い出しては、

あの時の私は未熟だったなぁとか、

その彼のことがすごく好きだったんだなぁとか、

成長させてもらえたから今の私がいるんだなぁとか、

毎年なんだかんだで10秒くらい、思いを馳せてはまた日常に戻る、そういう瞬間が何回か訪れます。

 

「どうせ結婚した後は自由に恋愛できないから、自由なうちにいろんな人と付き合った方がいいよ」と言われたことがあるし、

「(その彼より)もっと素敵な人がいるよ」とお付き合いしている時期に言われたこともあるし、

「別れて正解だったよ」と別れた後に言ってくれた人もいます。

 

私のためを思っての言葉たちだったのですが、

今振り返っても、5年「も」付き合って無駄だったなとか、あのとき別のあの人と付き合ってみればよかったなとか、後悔する気持ちは全く起きません。

 

中高生のもっと幼かった頃にした恋愛は、周りに流されていたり相手の気持ちに負けたりして始まった感じで、気持ちが乗らずにちょっとして勝手にお別れしちゃったり、そんなものばかりでした。

 

その彼は、

そういう意味では、初めて「大好き」になって、

だからこそ2人だけの合言葉が出来る度に嬉しくなって、

反面、合わないところで悩んで、考えをぶつけて、たくさん話して、

真面目にとことん恋愛をした人。

彼はたぶんどちらかというと恋愛下手で(失礼)

私にとって恋敵もいなく、

彼の魅力を心の底から理解してくれた友人はあんまり居なかったけど

でも、とっても深く好きになった人です。

 

その彼とは共通の知り合いもいて、

ありがたいことにみんな今でも仲良くしてくれるので

その繋がりで、

夫と付き合い始めてからも、

結婚してからも、娘が生まれてからも、

みんなで集まる機会にちょこちょこ彼にも会います。

 

(いまだに会うことを批判したくなるかもしれませんが一旦置かせていただいて)

今でも彼は、私を応援してくれていると会う度に感じます。

私の仕事や子育て、趣味、夢中なことなんでも、応援してくれている気がします。

そして、少なくとも私は、彼がなるべく楽しく充実した毎日を送ってくれたら嬉しいな、と思っています。

すごーくたまーに近況を聞いて、仕事頑張ってるんだなとか、面白い趣味始めたんだなとか、

知って嬉しくなります。

家族の次の次くらいに応援してる人です。

 

付き合っていた時、

私の可能性を私以上に無条件に信じてくれるところやそれを素直に伝えてくれるところが好きだったし

今もなお、(異性かどうかを問わず)私にとってとても貴重な、自信を持たせてくれる存在です。

 

私たちがお別れしたのは、よくある別れの定番、「価値観の不一致」だと思います。

自分の軸を大事にしようと思うと、違う軸を持つ彼と一緒に居られない。

そんな感じでした。

 

お互いの軸はそれぞれ、付き合うずっと前からブレていなかったけど

月日が経つと、だんだん卒業が近づいてきて、大学の中だけで暮らしていたのが、その先の道に少しずつ進み始めて。

あれ、彼と一緒の道じゃない。

そんな感じで、どんどんその軸の違いから目を背けられなくなってきました。

 

好きだからこそ一緒にいたいけど、

一緒にいようとすると、自分で居られなくなって苦しい。

そういう葛藤は、自分の頑固さ、曲げられない大事なこと、自分の中の「普通」をよく知る機会にもなりました。

 

彼の大事なこと、目指したいものに対して、共感できない。

今会っても、彼が夢中になっていることに対して、共感は全くできません(笑)

だからこそ、たまーに会う機会があって、

彼が充実している姿を見ると、嬉しくなります。

最後の年の年末年始、たくさん傷つけ悩ませてしまったあの時より、とても生き生きのびのびしているなと思ったりもして。

たまーに知るだけの関係性なので、実は今も苦しみや悩みが彼なりにあるのだとは思いますが。

 

今年もまたクリスマスツリーやイルミネーションや年の瀬感につられていろいろと思い出すけれど

また来年以降もちょこっと思いを馳せることがきっとあります。

この時期はいろんな思い出があるからこそ、今の自分は幸せかな、自分を大事にできてるかな、と振り返るには一番です。

 

4年経ち、今、夫がそばにいて、疲れていても私の声に耳を傾けてくれること、

娘が私に「抱っこ」と甘えてきてくれること、

そういうありがたい幸せに感謝しつつ

 

ずっと前に好きだった彼にも、ありがとう、と密かに思っています。

また来年のこの時期、幸せな自分でいられるように

次の一年も大事に1日1日重ねていきたいな。

 

元彼の話なんて、書いたら誰かに怒られそうな立場になりましたが

この過去の恋愛への想いもまた、ちょっと変わってるだろうけど、頑固な自分の軸の一つ。

今日は引っ張り出してきたけれど、

また明日から、あまり目立たないところに大切にしまっておきます。

 

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子どもも体力がついてきて、1人じっくりのんびり過ごす時間が恋しいここ最近。

旅行先で目が冴えてしまった夜に、1人つらつら書く幸せを久しぶりに味わえました〜

 

ではでは、よいお年をお迎えください。

 

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